スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ブリュッセルのアール・ヌーボー建築

前回の更新から5ヶ月も経ってしまった。相変わらずストレス満載な職場環境に、色んな意味で気力が無くなっている。何よりも自分の弱い心が一番の原因だが、一度しか無い人生、楽しく生きていきたいなあ。

さて、次回の続き。アール・ヌーボーというと、フランス発祥の芸術様式のように思えるが、この言葉が生まれたのは1894年のベルギー、また、先立つこと一年、1893年に、後になってアール・ヌーボー様式における最初の建築作品が生まれたのもベルギーのブリュッセル。ベルギーはアール・ヌーボー創生期において非常に重要な役割を果たした。その後、この植物や昆虫等生き物をモチーフにした、従来の芸術様式に囚われない曲線を多様した建築様式は、スペインではモデルニスモ、ドイツではユーゲント・シュティール、ウィーンでは分離派等、名称を変え、世界各地に拡がっていくことになる。

DSC03295.jpg
~ヴィクトール・オルタ、タッセル邸~

DSC03296.jpg
~大きな窓を配した正面、鉄骨の曲線が見事~

フランスではロレーヌ地方の都市ナンシーで、エミール・ガレを中心として、調度品・家具、宝飾品の分野で華を開くことになるが、ベルギーでは主に住宅建築の分野で発展していった。その中心的役割を果たしたのが、ヴィクトール・オルタだ。

DSC03316.jpg
~同じくオルタのソルヴェー邸~

DSC03320.jpg
~ソルヴェー邸テラスの美しい曲線~

DSC03318.jpg
~ソルヴェー邸の上層部~

1861年、ゲントで生まれたオルタは、ブリュッセルで建築を学び、前回ご紹介したラーケン王宮温室を設計したアルフォンス・バラの助手として、アール・ヌーボーの素地となる建築技術を学ぶ。その後独立し、1893年に、最初のアール・ヌーボー建築と呼ばれるタッセル邸を手掛けることになる。鋳鉄を用いた有機的な曲線と従来の建築素材である石とが見事に融合したデザインは、当時の人々に衝撃を与え、一躍彼を時代の建築家へと引き上げることになった。

DSC03273.jpg
~ヴァン・エドヴェルド邸~

DSC03330.jpg
~オルタ邸~

DSC03332.jpg
~オルタ邸拡大部分~

その後も、オルタは、ブリュッセルに次々とアール・ヌーボー様式の邸宅建築を設計していくことになるが、中でも、先のタッセル邸と、ソルヴェー邸(1895年)、ヴァン・エドヴェルド邸(1897年)、オルタ邸(現オルタ美術館)の4つの建築物は、2000年にユネスコより、世界遺産に指定されている。

DSC03291.jpg
~ヴァン・エドヴェルド邸の真ん前に立つ、同じくオルタ作のデプレ・ヴァン・エドヴェルド邸の門~

DSC03353.jpg
~ポール・アンカーのアンカー邸~

DSC02763.jpg
~ストローヴァン作ヴァン・ダイク邸~

DSC03369.jpg
~ポール・コーシのコーシ邸~

その他にも、ブリュッセルには、数多くのアール・ヌーボー様式の建築物が存在する。ポール・アンカー、ポール・コーシ、ギュスターブ・ストローヴァン等の建築家が、数多くのアール・ヌーボー建築を残しているが、中でも素晴らしいのが、ストローヴァン作のサン・シル(Saint-Cyr's)邸だ。鉄による複雑怪奇な曲線が、入口の扉からバルコニー迄一面を飾り、バロック・フランボワイアンと呼ばれている。

DSC028175.jpg
~ストローヴァン作サン・シル邸~

DSC02791.jpg
~サン・シル邸を見上げる~

DSC02770.jpg
~この見事な曲線!~

ところで、なんと、この建物が売りに出されていた(写真で「売り物件」との看板が掛かっているのが見えるだろうか)。恐らくとてつもなく高いのだろうが、お金さえあれば、是非とも欲しいところだ。ただ、これがもしフランスだったら、国が買い上げて、博物館か何かにしているのではないだろうか。お金だけ持っていてこの建築の価値の分からない外国人なんかに買われてしまったら、どうするのだろう。余計な心配だが、文化に対する民度は、やはりフランスの方が格段に高いと思う(一方、公共意識はフランス人は世界でもビリッ穴だが。何故こういう矛盾が一つの国民の中に存在するのか、本当に理解に苦しむ)。


スポンサーサイト

ラーケン王宮温室(ベルギー・ブリュッセル)

ベルギーはブリュッセルの北部に、ラーケンという地区があり、ベルギー王室の居城がある。城内には、面積1.5haにも及ぶ巨大な温室があり、普段は一般公開されていないが、毎年4月末から5月上旬にかけての3週間のみ一般公開される。アールヌーボー様式の先駆けとなる大変美しい温室で、週末にかけて泊りがけで見に行ってきた。

DSC03057-1.jpg
~王宮温室入口~

DSC02888-1.jpg
~円形ドームとコンゴ温室~

生憎あまり天気が良くなく、雨がふったり止んだりというような空模様ではあったが、写真で見るよりはるかに美しい温室だった。特に週末は日中以外にも夜間もオープンし、ライトアップされる、と案内にはあったので、夜も是非見たい、と泊りがけで行ったわけだ。まず着いた土曜日には夜のライトアップを見に、そして翌日日曜日の朝に改めてゆっくり見る、という温室見学にたっぷり時間を取ることにして出掛けた。情報では、期間限定公開のため、非常に混雑するとあったので、20時からのオープンに対し、30分前には着いておこうと思ったのだが、道が混んでいてようやく15分前に到着した。幸いそれ程並んでおらず、少し待っただけで入場することができた。流石に中に入ると結構な人で思うように進むことはできなかったが。

DSC0287201-1.jpg
~円形ドーム~

DSC03106-1.jpg
~円形ドーム(2)~

DSC02871.jpg
~拡大部分、頂上に王冠を頂いてるのが粋~

温室の建設が着工されたのは1874年、設計したのはベルギー人建築家アルフォンス・バラ、当時の国王レオポルドII世のお抱え建築家だった人だ。鉄とガラスで出来た、優雅な曲線を多様したアールヌーボーの先駆けとしてのこの建築作品は、当時の人々を魅了した。彼に師事したヴィクトール・オルタは、その後建築の分野でアールヌーボー様式を展開し、彼の作品群はユネスコ世界遺産にまで登録されている(オルタの作品は次回に改めてご紹介させて頂きたい)。

DSC02879-(a).jpg
~手前がコンゴ温室~

DSC02881-(a).jpg
~コンゴ温室の拡大部分~

DSC03074-1.jpg
~巨大な蕨のような植物が~

DSC03065-1.jpg
~円形ドームの曲線が綺麗~

DSC02849-(a).jpg
~コンゴ温室内部(1)~

DSC02854-(a).jpg
~同(2)~

DSC02862-(a).jpg
~同(3)~

DSC02952-1.jpg
~同(4)~

DSC03075-1.jpg
~同(5)~

DSC03076-1.jpg
~同(6)~

DSC03227-1.jpg
~同(7)~

本当に巨大な温室で、ゆっくり歩いて回ったものの、一時間半位かかった。いくつもの巨大な温室が通路で繋がった形となっており、最初の区画は、暖かい地域の植物が植えられており、中央には巨大な円形ドームを配する温室となっている。緑青色に塗られた鉄骨の人口の色彩と、植物の自然の緑との対比が大変美しい。円形ドームの次にあるのが、コンゴ温室と呼ばれる、一番巨大な温室。ベルギーの旧植民地だったコンゴ共和国の植物を植えるためのものだったが、何せ赤道直下近くの植物、全て枯れてしまったので、今はオーストラリアの植物が植えられているようだ。

DSC02896.jpg
~八重桜と五重塔~

DSC03028-(a).jpg
~こちらは夜のライトアップ、何だか日本に戻ったよう~

一旦温室を出て、しばらく庭園を歩く。非常に整備され、本当に綺麗な庭園だ。ここには、1900年のベルギー万博の際に建築された五重の塔が移築されており、周辺には日本風の池や屋台橋、八重桜迄植えられていて、日本にいるような感覚になる。

DSC03125-1.jpg
~椰子の木の温室~

DSC03135-1.jpg
~中はこんな感じ~

DSC03117-1.jpg
~ゼラニウムが通路を満たしている~

DSC03173-1.jpg
~通路(1)~

DSC03167-1.jpg
~通路(2)~

DSC03156-1.jpg
~つつじ~

DSC03240-1.jpg
~これは何という植物だろう、鳥の嘴みたい~

そしてまた再度温室内に入る。ここから長い通路を通って元来たドーム迄戻るのだが、一面お花の世界、色取り取りの様々な花が温室内を満たしている。つつじなど見たことにある花から、枝から垂れ下がる見たことの無い花まであらゆる色彩の花が見学者を楽しませてくれる。普段、花などには興味の無い私も、結構じっくりと見てしまった。

DSC02992.jpg
~夕闇迫る円形ドームを見上げる~

DSC03000-1.jpg
~拡大部分(1)~

DSC03002-(a).jpg
~拡大部分(2)~

DSC03045-1.jpg
~完全に夕闇が降りたところ~

DSC0325101-1.jpg
~ちなみに日中はこんな感じ、青空の下だったらもっと綺麗だったのに~

DSC03255-1.jpg
~拡大部分(1)~

DSC03254.jpg
~拡大部分(2)~

DSC03256-1.jpg
~円柱越しにドーム天井を見る~

色彩と香りに十分満喫して、円形ドームに戻ってくると、夕闇迫る空に向かってドームを支える緑の鉄骨が照明を浴びて浮かび上がっている。なんとも幻想的で美しかった。

DSC03004-1.jpg
~ライトアップされた円形ドーム~

DSC03006-1.jpg
~コンゴ温室~

DSC03008-1.jpg
~コンゴ温室と円形ドーム(1)~

DSC03015-1.jpg
~コンゴ温室と円形ドーム(2)~

DSC03267-1.jpg
~入口左手にある宴会用温室~

事前に見たサイトでは、ライトアップされた温室を外から見た姿も非常に美しかったので、また始めの所に戻って大急ぎでもう一回りする。外に出ると、今度は藍色の闇に、内側からライトアップされた温室が宝石箱のようにぼうっと淡く輝いている。見学者はとっくに誰もいなくなり、閉門の時間が過ぎて警備の警官に声を掛けられるまで、飽きず眺めていた。本当に素晴らしかった。また是非来年も来たいと思う。

プロフィール

クータンス

Author:クータンス
学生時代からフランスとゴシックの大聖堂に魅せられ、紆余曲折の人生を歩んだ結果、フランス永住の道を選択しました。
ここでは、フランスを中心としたゴシックの大聖堂を紹介したいと思いますが、フランスでは夜になると大聖堂は勿論のこと、殆どの歴史建造物がライトアップされます。また、単なるライトアップのみではなく、いくつかの大聖堂では、素晴らしい光のスペクタクルを見せてくれるところもあります。こういった大聖堂の写真も一緒に載せていきたいと思います。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。