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休題閑話~Hôpital Necker(ネッカー小児病院)~

息子(7歳)が虫垂炎(盲腸)の手術をした。入院した病院は15区パストゥール近くにある小児科専門の病院Hôpital Necker。昨年夏に休暇で日本に帰った際に虫垂炎になったのだが、その時は病状が左程重くもなかったことと、フランスへの帰国を2週間後に控えていたこともあり、薬で散らし治療をした。しかしこちらに帰ってきて1カ月も経たないうちに、本当にのたうち回る程の腹痛に襲われ、かかりつけの医者にいったところ、虫垂炎再発の疑いが濃いということで救急車で総合病院に送られた。いくつか検査をした結果、少し虫垂が腫れているものの、虫垂炎という程ではないと診断され、検査している間に息子の症状も段々治まってきたので、そのまま帰宅した。だが、その後も、以前よりはるかに頻繁に腹痛を訴えることが多くなり、また、今年3月には再度かかりつけの医者で虫垂炎の疑いありということで、小児科専門病院で再検査(その時は単なる便秘との診断だったのだが、かかりつけ医は、絶対誤診だと言っていた)、こうしたことを繰り返していた矢先の今回の腹痛だったので、今度こそは流石に手術だろうな、と腹を括って総合病院に行った。

かかりつけ医から指示されたのがネッカー小児専門病院。専門病院なのに、これが物凄く大きい。事務棟等敷地内全ての建物はなんと18棟もある。サイトを見てみると、病床数は小児用400床、妊婦用200床の計600床。900名の医師と1000名の看護婦が勤務しているとある。日本では小児科専門でこれ程の規模の病院はどこにもないのではないだろうか。ところが、フランスにはこの程度の規模の小児科専門病院がかなりある。ちなみに、昨年夏の日本への休暇帰国から戻って後、2回虫垂炎の検査を受けた小児病院はいずれもネッカーとは違う病院。私が行っただけでもパリ市内に同規模の小児科専門病院が3つはあることになる。ご参考迄に、息子が昨年夏入院した大森にある某大学病院は、こちらもかなり大きな規模だが、10以上の科があって病床数は約1000、職員の数は1900名とあるので、ネッカーの規模の大きさがご理解頂けると思う。

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~病室から見た病院、奥左手の大きな建物は病院ではないが、その前から全て病院の敷地、これでもほんの一部~

夕方19時頃、急患窓口にいったのだが、不安で一杯だった。というのは、このネッカー病院、在パリ日本人の間では悪い噂しか聞かないのだ。兎に角、受付の対応が悪い(これはフランス全土ありとあらゆる窓口がそうだが)、横柄、遅い、何時間経っても診察が受けれらないので、怒鳴り散らし、ようやく医者に診てもらえたら、「どうして早く診てもらわなかったんだ?」と怒られる始末。結構誰に聞いても程度の差こそあれ、同じようなことしか聞いたことがなく、また、前に息子が検査を受けた他の2病院の対応もかなり酷かった(受付してから呼び出し迄2時間、その後検査の度に2時間待ち、急患で行っているのに、検査結果判明が両方共夜中だった)ので、あれより酷いのなら、一体どんなところなのだろう、とまるで刑務所にでも行くような気持ちで病院に入っていった。

急患受付は上記2病院と違い非常に小さく、受付窓口は一つ(上記2病院は3~4はあった)しかない。幸い、前に並んでいるのは一人だけ。兎に角受付申請だけはすぐできそうだ(上記2病院では患者も多く、フランス人の常として横入りが横行、飛ばされた人間は大声で文句を言う、命を救う場で一番見たくない人間の嫌な部分を見てしまうのだ)と順番を待つ。受付の前の人への対応が優しそうなので、あれ?と思いながら待っていると、前の人が終わり、書類整理をしている間、「ごめんね、少し待ってね」とフランス人にしては殊勝な事をいってくる、益々あれ?である。そして自分の番になり、息子がかかりつけ医で虫垂炎と診断され、至急こちらで検査を受けるように、と言われてやってきた、と病状をちょっと大袈裟に説明する。すると、看護婦に、「この子、虫垂炎だからすぐ検査して」と、その場で作成したカルテを渡し、看護婦から急患の検査室に連れていかれる。???である、全く聞いていた話と違う。この間5分も経たなかった。他の2病院と比べても格段の早さだ。

それから、身長・体重・血圧検査(これはどの病院でも始めにやっていた)をして、医者の触診、その後エコー検査、血液検査とあった。流石にこれら検査と検査の間はフランス流で1~2時間待たされた。ただ、息子もそんなに苦しそうではなく、結構平気そうだったので、もしこれがのたうち回る程の症状だったら、もっと急いで診てくれたのではないかと言う感じ。最後に問診があり、今までの経緯を説明すると、あまり重症ではないが、確かに虫垂が腫れており、去年の帰国後、これで3回目ということを考えると、今回で切っておいた方が良いだろう、と入院することになった。

親付き添いでいいか、と聞くと勿論とのことなので、一緒に入院病棟に上がっていった。病室は個室で、非常に小さいながらも付き添い人用のソファーベッドもある。トイレ、シャワーもあり、一応病室内で全て用が足せる。事務手続きは遅く、病室に入れたのは結局夜中の1時だったが、対応してくれた医者、看護婦、職員皆感じが良く(日本だと当たり前だが、フランスでは感じが悪いのが当たり前)、本当に???という思いだった。たまたま運が良かったのか?

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~病室~

手術は翌日と言われていたが、ここはフランス流で、最初午後と言われていたのが、午後4時半頃となり、結局手術室に入ったのが午後7時半、9時半に目覚めの部屋(こう呼ばれていた、麻酔で手術をした患者が一旦ここに通され、経過を見てから病室に戻される)に通され、病室に戻れたのが11時半。長い一日だった。手術は問題なく終了。まずは一安心した。あと、、フランス的と思ったのが、病室の隣がナース休憩室だったのだが、朝6時半位から出勤した看護婦が大声でぺちゃくちゃしゃべって笑っていること。日本だったら、絶対不謹慎な、マナーがなっていない、とお叱りを受けるところだろう。

翌日、経過に問題無ければ明日退院だと言われる。虫垂炎に限らず、こちらは手術してから、一週間も10日も入院させない、大体、2、3日で退院させられる。術後、物は食べられず、おならが出たか?と聞かれるのは日本と同じ。結局経過も順調で、手術後2日で退院となった。当然走ったりはできないが、普通に歩いている。日本の入院期間は大袈裟なのではと思う。

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~ナースセンターと子供の遊び場~

いつもはフランス人の、超が十個付く位の自己中心さや、サービスの質のあまりに劣悪なことに腹を立てることばかりなのだが、今回の入院の顛末は、最初に聞いていた評判が悪過ぎたこともあり、フランスも結構やるじゃない、と思ってしまった。後で家内が家庭教師のフランス人と話したところによると、「日本人は、少し熱があってもすぐ急患で連れていくでしょう、急患というのは本当に早くみないといけない人が行くところなんだから、後回しにされることもあるわよ、本当に危ないと思ったら急いで診てくれるわよ」と言われたとのこと。全ての例に当てはまるわけではないだろうが、そんなところも日本人の間でネッカー病院の評判が悪いという理由の一つになっているような気がした。また、きっと病院側でも「日本人は」と思っているであろうことも。

今回の入院は、久しぶりにフランスのサービスも悪くないと思わせてくれたと同時に、いつもは弱虫でどうしようと思っていた息子が、手術室に連れて行かれる時、泣きもぐずりもせず親から離れていったのを見て、我が子も強いところがあるじゃないか、と見直すこともでき、いい経験にはなったと思う。

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プロフィール

クータンス

Author:クータンス
学生時代からフランスとゴシックの大聖堂に魅せられ、紆余曲折の人生を歩んだ結果、フランス永住の道を選択しました。
ここでは、フランスを中心としたゴシックの大聖堂を紹介したいと思いますが、フランスでは夜になると大聖堂は勿論のこと、殆どの歴史建造物がライトアップされます。また、単なるライトアップのみではなく、いくつかの大聖堂では、素晴らしい光のスペクタクルを見せてくれるところもあります。こういった大聖堂の写真も一緒に載せていきたいと思います。

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