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ボーヴェ大聖堂

ボーヴェはパリの北北西約70kmのところにあ人口5万人程の小さな町だ。ここには、今迄も他の大聖堂との比較として言及したことがあるが、内陣+翼廊だけの未完の大聖堂とは言え、ゴシック建築中、最も高い天井を有するボーヴェ大聖堂がある。

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~幻想的な光でライトアップされた南正面~

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~全体像、修復の覆いなんてレベルではない、天井にプレハブ家屋が乗っかっている~

ただ、2、3年前からずっと修復中で、屋根には小さな体育館のような大きな小屋が乗っかっており、後陣には足場と覆いが掛かっていて、写真でご紹介できない状態なので、修復が終わってからご紹介しようと思っていたのだが、夏の間、一昨年に修復の終わった南入口(と言っても西正面はないのだが)で光のスペクタクルをやるというので、ちょっと見に行ってきた。

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~輪郭がなぞられ~

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~骨格が浮き上がる~

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~こちらは炎がゆらめいているのだが写真だと分かりづらい~

大聖堂のご紹介は修復がきちんと終わった時に改めてさせて頂こうと思うが(とは言うものの、あと5、6年は掛かると案内には書かれてあった、なんとも気の長い...)、ごく簡単に説明だけさせて頂く。着工は1225年(アミアン大聖堂の着工は1220年)、1272年には天井高48.5mにもなる内陣が完成する。しかしながら、1284年に一部が倒壊、1347年に修復が完了するも、百年戦争により建設は中断、1569年には高さ153mに及ぶ中央尖塔が完成するが、構造上の欠陥から翼廊を巻き込んで1573年に倒壊、その後翼廊は修復されるも、資金難から、中央尖塔の修復と身廊以降の建設はなされず、ついに未完のまま現在に至っている。

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~下部から人が現れ~

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~彫刻や装飾を上へ上へと積み上げていく~

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~タピスリーが織り上がり~

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~中世絵巻が浮かび上がる~

ということで、前半分(後半分と言った方が正確だが)が無い、見た目は半ば廃墟のような建物だが、間近で見るとその大きさには本当に圧倒される。もの凄く大きい。これが完成していれば、どれ程素晴らしい大聖堂だったろう、と頭の中で想像してみるのも楽しい。

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~蛍光色の淡い光が下から当たり始め~

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~全体が深い色彩で暗く輝く~

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~なんとも幻想的~

さて、前置きはこれ位にしてスペクタクルの方だが、担当しているのはSkertzoという会社。既にご紹介したルーアン、ルマン、アミアン、ランス各大聖堂のスペクタクルも、このSkertzoという会社が手掛けた。通常のライトアップは、ただ一定の色彩の照明を大聖堂に当てるものだが、このSkertzoのスペクタクルは西正面をスクリーンと見なして動画映像を映し出すもの。ルーアンではモネの描いた様々な色彩の大聖堂西正面を再現したり、アミアンでは建設当時色彩豊かに彩色されていた彫刻群を再現したり、また、ランスでは大聖堂が建てられる過程(設計図、木組み、石材の組み上げ)を映し出したりと、大変素晴らしいショーを見せてくれる。

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~音楽が流れてくると~

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~彫刻像の台座に人達が映し出され歌いだす~

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~スペクタクルの目玉、エッサイの樹、まず樹が生えてきて、~

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~エッサイが樹の根元に横たわる~

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~枝々に歴代の王が座してゆき~

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頂点にキリストを抱くマリアが君臨する~

ここボーヴェではどのようなショーを見せてくれるのか、と楽しみにして行ったのだが、如何せんこの時期は非常に日が長いので、22時半位にならないと始まらない。眠たい子供達は不満タラタラ。ライトアップを見るのも子連れだとなかなか難しい。さて、肝心のライトアップは約20分程。大聖堂の骨格を線で映し出したり、中世のボーヴェの町並みをタピスリーのような映像で見せたり、と結構面白かったが、中でも良かったのは、フランス革命時、他の大聖堂同様、彫刻の聖人像が破壊され、今では残っていないのだが、それぞれの台座に映像で実際の人達が立ち並び音楽に合わて合唱する場面と、同じくボーヴェにある聖エティエンヌ聖堂内のエッサイの樹のステンドグラスと同じ図像が映し出される場面だ。「エッサイの樹」というのは、旧新約聖書の、エッサイからキリストに至る系譜を図像化したもの。まず始めに、南正面一杯にエッサイの樹が生えてきて、一番下にはダビデ王の父エッサイの寝姿が映し出される。その後徐々に系譜を辿るように伸びる枝に歴代の王達の姿が映し出され、頂点に後光を浴びたキリストが君臨するというもの。65mにも及ぶ南正面全体に巨大な図像が極彩色に浮かび上がる様は圧巻だ。なお、これは上記で話したフランス革命時の蛮行により破壊されてしまった北正面の「エッサイの樹」のタンパン彫刻へのオマージュでもあるのだろう。

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~最後にまた鮮やかな色彩で彩られると~

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~拡大部分~

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~また聖人達が歌い出す~

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~黄金色に輝き出し~

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~段々鮮やかになってきて~

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~光のスペクタクルのフィナーレとなる~

ということで初夏の夜のライトアップショーを楽しんだ後、後部座席でぐっすり眠っている子供達を乗せて車を飛ばし、家に着いたのは夜中の12時過ぎだった。眠い。


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プロフィール

クータンス

Author:クータンス
学生時代からフランスとゴシックの大聖堂に魅せられ、紆余曲折の人生を歩んだ結果、フランス永住の道を選択しました。
ここでは、フランスを中心としたゴシックの大聖堂を紹介したいと思いますが、フランスでは夜になると大聖堂は勿論のこと、殆どの歴史建造物がライトアップされます。また、単なるライトアップのみではなく、いくつかの大聖堂では、素晴らしい光のスペクタクルを見せてくれるところもあります。こういった大聖堂の写真も一緒に載せていきたいと思います。

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