スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

聖ローレンツ教会(ドイツ、ニュルンベルク)

クリスマス前に少し休暇を取り、ドイツに行ってきた。

DSC07703-.jpg
~ニュルンゲルクのクリスマスマーケット~

今回は、ニュルンベルク、レーゲンスブルク、ウルムを回ってきた。勿論目的はゴシック建築を見に行くことで、当初は、ウルムの代わりにフライブルクに行く予定だったが、直前にフライブルク大聖堂が大規模修復工事を行っており、美しい尖塔が殆ど見られないことが判明、既に何度か行ったことはあるものの、最も好きな大聖堂の一つがあるウルムに変更した。

DSC07713-.jpg
~クリスマスマーケットのある中央広場に面したフラウエン教会~

065.jpg
~クリスマスマーケットの屋台~

ゴシック建築見学が第一の目的ではあるものの、これは私のみで、家族の目的はクリスマスマーケット巡り。幸い、今回訪問した町では全て魅力的なクリスマスマーケットが開催される。木組みの小屋が並び、可愛いクリスマスの飾りが売られている。グリューワインで体を温めながら美味しいソーセージを頬張り、どの飾りを買おうか、とお店を冷やかしながら歩くのは、大人であってもとても楽しいもので、短いながらも、日常を忘れ満喫した休暇を過ごすことが出来た。

053.jpg
~可愛いらしい装飾が売られている~

055.jpg
~美味しそうな屋台のソーセージ~

さて、お目当てのゴシック建築のご紹介だが、まずは初日に訪れたニュルンベルクから。ちなみに、ニュルンベルクのクリスマーケットは、ドレスデン、シュトゥットガルトと並び、ドイツの3大クリスマスマーケットとして有名で、ゴシックの教会や噴水塔のある中世の雰囲気漂う中央広場には、180もの屋台がぎっしり並び、世界各地からの観光客で一杯で、普通に歩くのにも苦労する程。ここの名物のニュルンベルガーソーセージは指の大きさ程の小さなものだが、これがびっくりする位美味しい。家族皆で何本も頬張ってしまった。

DSC07737-1.jpg
~聖ローレンツ教会西正面、すっと伸びた2つの尖塔が美しい~

前置きはこれ位にして、ここには、いかにもドイツ式ゴシックと言える、聖ローレンツ教会(大聖堂ではない)がある。13世紀半ば頃に建設が開始され、1400年頃には身廊部分が完成した。その後、1439年、ホール形式の内陣部分の建設が始められ、1477年に献堂式が行われた。

DSC07730-1.jpg
~外観~

DSC07743-1.jpg
~西正面入口のタンパン彫刻~

DSC07728-1.jpg
~尖塔を仰ぎ見る、いかにもドイツ・ゴシック~

DSC07733-1.jpg
~薔薇窓と上部の切妻装飾~

西正面より順を追って見ていこう。これぞドイツ、というような堂々たる姿で、黒っぽい壁面に82mの二つの尖塔が天にすっと伸びる。簡素だが、垂直性を重視したその姿はドイツ・ゴシックの精神性を良く体現している。中央部分には、下から、繊細ながらも生き生きとした躍動感が感じられる素晴らしい入口タンパンの彫刻。その上には、薔薇窓層が乗るが、これが非常にユニークで、中央の内輪は堂内の薔薇窓をそのまま堂外に見せるが、その外円を石の彫刻による装飾が取り囲む。そして最上部には鋭角な三角形の切り妻装飾を頂く。ストラスブール大聖堂と似通ってはいるが、より無骨で、ゲルマンの大聖堂、という印象を見る者に与える。

DSC07868-1.jpg
~堂内、身廊は暗く、内陣が明るいのが分かる~

DSC07789-1.jpg
~外陣、アーケードと高窓層の間が壁面となっている~

DSC07791-1.jpg
~外陣側廊、ここでも奥の内陣が明るいのが見て取れる~

DSC07853-1.jpg
~翼廊から外陣を見る~

堂内に入ると、身廊と内陣の様式が大きく異なっており、二つの建築が翼廊で繋がったように感じる。身廊は教会建設の初期に造営されたもので、アーケードと高窓層の間が壁面で閉じられ、暗く重い印象を与える。

DSC07787-1.jpg
~教会を側面から見る、外陣と内陣の規模の違いがはっきり分かる~

DSC07777-1.jpg
~巨大かつ大胆な構造の後陣~

DSC07850-1.jpg
~内陣から外陣を見る、開けた空間が奥の外陣では閉じているのが分かる~

DSC07821-1.jpg
~内陣の周歩廊~

DSC07838-1.jpg
~内陣天井、複雑なオジーブ~

DSC07827-1.jpg
~ドイツの森を彷彿させる柱と天井~

DSC07801-1.jpg
~明るさと鬱蒼さの共存~

これに対し、先に述べた、1439年に建設が始まったホール形式の二層構造の内陣は、二層式で明るく、広く、そして支える円柱はすっと細く、まるで南仏やスペインに見られるゴシック様式のようだが、天井は複雑な装飾オジーブで覆われ、冬の暗さも相俟ってか、ゴシックの象徴として例えられる、森の木々が上に向かって枝葉を広げ、空を覆い隠しているかのようで、ここでもドイツ的ゴシックを見ることが出来る。高さ、幅共に、内陣の方が外陣と比べはるかに巨大で、その違いは外から見るとよりはっきりと見て取れる。天井高はわずか24.2mとのことだが、視覚効果により、もっと高く見える。

DSC07795-1.jpg
~側廊礼拝堂には様々な絵画や祭壇画が~

DSC07796-1.jpg
~祭壇彫刻~

DSC07803-1.jpg
~受胎告知のレリーフ~

DSC07807-1.jpg
~レリーフ越しに天井を仰ぎ見る~

堂内には素晴らしい装飾彫刻が数多くあるが、特筆すべきは、受胎告知の天蓋彫刻とフランボワイアン様式の聖餐檀だ。天蓋彫刻は1517年にファイト・シュトースにより制作された巨大な木造彫刻(彫刻を囲む輪の大きさは何と3.7m x 3.2mもある)で、聖母マリアと天使ガブリエルの衣装の襞迄実に繊細に浮彫されている。

DSC07809-1.jpg
~フランボワイアン様式の聖餐壇~

DSC07811-1.jpg
~拡大したところ~

DSC07813-1.jpg
~壇上部分~

DSC07814-1.jpg
~こちらは土台部分~

DSC07861-1.jpg
~仰ぎ見たところ~

DSC07846-1.jpg
~非常に繊細な浮彫彫刻~

DSC07847-1.jpg
~作者が作品を支える~

しかし、聖ローレンツ教会での最大の見所は何と言っても、15世紀終わりにアダム・クラフトにより制作された聖餐壇だろう。これ程繊細で美しく、均衡の取れたフランボワイアン装飾はフランスでもめったにお目に掛かることはできない。壇を支えるのは製作者のアダム・クラフト本人とその弟子達。自らの技量への誇りと自負が、彫刻の表情からも十分に伺える。

DSC07832-1.jpg
~ステンドグラス(1)~

DSC07841-1.jpg
~ステンドグラス(2)~

DSC07845-1.jpg
~ステンドグラス(3)~

数は多くないが、15-16世紀のステンドグラス群もなかなか見事だ。

DSC07716-1.jpg
~ライトアップ(1)~

DSC07718-1.jpg
~ライトアップ(2)~

DSC07724-1.jpg
~ライトアップ(3)~

夜のライトアップは控え目ではあるものの、それが却って、この簡素でドイツ的な建築物に相応しい光を当てており、冬の寒い夜空に時間が止まったかのように教会堂を浮かび上がらせていた。


スポンサーサイト
プロフィール

クータンス

Author:クータンス
学生時代からフランスとゴシックの大聖堂に魅せられ、紆余曲折の人生を歩んだ結果、フランス永住の道を選択しました。
ここでは、フランスを中心としたゴシックの大聖堂を紹介したいと思いますが、フランスでは夜になると大聖堂は勿論のこと、殆どの歴史建造物がライトアップされます。また、単なるライトアップのみではなく、いくつかの大聖堂では、素晴らしい光のスペクタクルを見せてくれるところもあります。こういった大聖堂の写真も一緒に載せていきたいと思います。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。