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トレド大聖堂(スペイン旅行6)

朝、グラナダを出発し、今回の旅行の最後の滞在地トレドへ。マドリッドのすぐ南にある、観光都市だ。都市とはいっても中世の町並みをそのまま残す風情ある町だ。

途中、何か所も、大雨のため高速道路に水が溢れている。車が浸水してしまうのではないか、と思う位水の深いところもあった。降ったり止んだりを繰り返しながら北上していったが、一箇所、厚いなどというのでは言葉が足りない、本当に真っ黒な大きな雨雲が物凄く低く垂れこめているところがあった。まるで地獄の入口にでも向かっているかのようで、近づくにつれ雨脚がどんどん強くなる。とうとう雨雲の真下に来たかと思うと、バケツをひっくり返したかのような大雨、時速20km程のノロノロ運転をしても前が全く見えない。ハンドルにかじり付き運転すること数分、やっと普通の大雨程度になった。正直、めちゃくちゃ怖かった。ラピュタの竜の巣ってきっとこんな風なんだろうなと思った。

ようやくトレドの町に着く。小高い丘の上に横たわっている町で、丘のふもとをタホ川という川が曲がりくねって流れている。まずは、今日宿泊する、向かいの丘の頂上にあるパラドールへ。トレドの町の絶景が眺められるということで人気のあるパラドールなのだが、ここは正直期待外れだった。パラドールは宿泊客以外もカフェやバルを利用することができるのだが、この宿泊客以外の観光客があまりにも多く、賑やかな温泉旅館といった感じ。他のパラドールのようにゆっくり静かに滞在を満喫するという雰囲気ではなかった。ただ、ここからのトレドの町の眺めは本当に見事。夜景も夜明けも素晴らしい景観を得ることができた。

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~パラドールから見たトレド夜景~

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~明け方の淡い陽の光を浴びるトレド大聖堂~


トレド観光の目的はこの地に滞在し後半生を負ったエルグレコの絵を見ることと、ゴシック様式のトレド大聖堂。エルグレコは昔から大好きな画家だ。人物の独特な憂いを帯びた表情と、実物より長く流れるように描かれる人の体、そして、赤や緑など原色を鮮やかに用いる色彩感覚が、中世のステンドグラスによる表現方法を想起させるのだ。ここトレドには、有名な「聖衣剥奪」や「オルガス伯爵の埋葬」等の傑作を見ることができる。どれも素晴らしい絵だった。

いよいよトレド大聖堂へ。ここもセビリア大聖堂に劣らず巨大な大聖堂である。1226年に建設が開始され、15世紀の終わりにようやく完成を見る。立派な5廊式で、長さ120m、幅59mもある堂々たる規模だ。翼廊が無く、フランスのブールジュ大聖堂を模したとされている。ただ、ブールジュ程の高さは無く、やや横に間延びした印象を受ける。フライングバットレスも印象的とは言えず、西正面の尖塔も個性に乏しい。外観の美しさでは、スペイン内でもブルゴスやレオンの大聖堂に一歩譲るだろう。

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~大聖堂西正面と尖塔~

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~ブールジュ大聖堂を模した5廊式の堂内~

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~窓の高さと奥行きで5廊式となっていることが分かる~

ただ、堂内は実に豪華絢爛。宝物あり、彫刻あり、絵画あり、まさに宝物館兼美術館のよう。エルグレコの絵画も多数飾られている。特筆すべきは中央の祭壇彫刻。15~16世紀初めにかけての作品で、キリストの生涯とグラナダ戦争の場面が非常に繊細な彫刻で極彩色に描かれている。セビリア大聖堂の祭壇彫刻に勝るとも劣らない素晴らしい芸術作品だ。

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~柵の奥に祭壇彫刻が飾られている~

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~中央祭壇彫刻~

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~拡大部分(1)、上部にグラナダ戦争の兵士の残虐なシーンが描かれる~

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~拡大部分(2)、繊細、極彩色の彫刻、日光東照宮の西洋版~

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~柵の外側から祭壇彫刻を眺める~

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~内陣後部のバロック様式彫刻~

また、ステンドグラスも15世紀以降のものではあるが、窓という窓に数多く嵌め込まれている。

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~中央祭壇と高窓のステンドグラス~

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~薔薇窓~

セビリア大聖堂もそうだったが、スペインのゴシック大聖堂はフランスのゴシック大聖堂のように、建築自体の美しさを味うというよりは、内部の彫刻や絵画を含む一つの大きな芸術作品として見る方が良いのだなと思った。そういう意味では今回見たゴシック大聖堂はいずれも実に素晴らしかった。

トレドの見学を終えたのはお昼過ぎ。ここからパリ迄1300km強。一気に走り、家に着いたのは夜中の3時だった。疲れ果ててはいたが、それでも満足感で一杯だった。芸術、食べ物、ワイン、スペインの魅力はまだまだ尽きない。また次回の休暇でもスペインに行っているような気がする。
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すばらしすぎますわ

先ほどはありがとうございました。早速拝見しました。写真がきれいですね。である調の文体にも本格派な感じがしました。きれいな写真には本当に感動します。これはもう出版でしょう。
プロフィール

クータンス

Author:クータンス
学生時代からフランスとゴシックの大聖堂に魅せられ、紆余曲折の人生を歩んだ結果、フランス永住の道を選択しました。
ここでは、フランスを中心としたゴシックの大聖堂を紹介したいと思いますが、フランスでは夜になると大聖堂は勿論のこと、殆どの歴史建造物がライトアップされます。また、単なるライトアップのみではなく、いくつかの大聖堂では、素晴らしい光のスペクタクルを見せてくれるところもあります。こういった大聖堂の写真も一緒に載せていきたいと思います。

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