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ベルギーの大聖堂

ゴシック建築は、フランスのイル・ド・フランスを中心に発展し、近隣各国でも独自の展開を見せることになるが、パリから僅か200km程北で国境を接するベルギーでは、フランスのゴシック様式に非常に似通った大聖堂が多く見られる。規模、美しさの観点からも特筆すべき大聖堂がいくつかあるが、今日はその中で、アントワープとブラッセルの大聖堂をご紹介したい。

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~街中に聳えるアントワープ大聖堂の西正面尖塔~

ところで、ベルギーは非常に狭い国土ながら、ワロン語(フランス語)・フラマン語(オランダ語)の2カ国語が公用語として用いられていることはご存じの通りだが、都市の名前も両方で呼ばれ、フランスに住んでいる私にとっては、接する名前がフランス語表記となるので最初のうちは多いに戸惑った。例えばアントワープ。これをフランス語で読むと「アンヴェール」となる。アンヴェールはフランス語で「~の方へ」と言う意味なので、最初聞いた時は一体どこに行くんだろうと、意味が全く分からなかった。また、ブリュッセルのすぐ北にある美しい町メッヘレンはフランス語で「マリーヌ」。非常にややこしい。こちらにいるといつも思うのだが、何故たった一つしかない都市の名前を勝手に自分の国の言語読みで読んでしまうのだろうか。特にフランス人は酷いと思う。英国人は決してシャンセリゼ(Champs Elysées)通りのことを「チャンプス・エリセース」などと読まないだろう。

話が脱線してしまったのでアントワープに戻る。アントワープは日本人にとっても「フランダースの犬」で馴染みの深い町で、また、ダイヤモンドの都市として知っている人も多いだろうと思う。ここにベルギー最大のゴシック大聖堂がある。ノートルダム(聖母)に捧げられた大聖堂で、西正面には高さ123mの尖塔が聳え立ち、長さ118m、天井高さ28m、交差部には56mの塔を持つ、フランスの主要な大聖堂にも引けを取らない規模を有する。着工はフランスの大聖堂に比べ遅めの1352年、16世紀前半迄建築工事が続き、1518年に尖塔が完成している。繊細な装飾を施し、真っ白で華奢とも言える尖塔が高く空に聳える様は実に美しい。

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市庁舎前広場の噴水越しに尖塔を見る~

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~西正面~

ところで、ベルギーの主要なゴシック大聖堂は、「ブラバント様式」と呼ばれることが多い。これは、当時ブリュッセル、アントワープを含むベルギーの一部とオランダ北部を支配していたブラバント公国の時代にできたことに由来する。フランスの初期ゴシック様式であるレヨナン様式とほぼ同じであるが、薔薇窓が無く、代わりに大窓が嵌め込まれていることが特徴。また、西正面に一つの尖塔を備えることが多い。

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~交差部の採光塔を仰ぎ見る~

内部には数多くの絵画が納められており、中でも、ネロが息を引き取る間際に見た「十字架降下」は特に有名。物語の中のように幕が下りていることは無く、常時見ることができる。

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~十字架降下の絵~

夜には淡い乳白色のライトアップがなされ、また日中とは異なる姿を見せてくれる。大聖堂南側には大広場があり、ここに「十字架降下」も描いたアントワープの大画家、ルーベンスの像が建っている。まるで大聖堂を見守っているかのようだった。

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~ライトアップされた西正面、あまりに尖塔が高く全体が写らない~

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~西正面ライトアップ(2)~

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~ルーベンスの銅像と大聖堂~


続いては首都ブリュッセルのゴシック大聖堂。聖ミッシェル大聖堂と呼ばれる。1226年に着工、15世紀末になってようやく完成する。ブラバント様式の典型的な大聖堂で、西正面を見れば、薔薇窓の無い、大窓を嵌め込んだ姿が良く分かる。王国の首都にある大聖堂に相応しい威風堂々とした構えだ。

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~聖ミッシェル大聖堂西正面~

長さは114m、天井高さ25m。フランスのゴシック大聖堂よりやや小振りながらこちらもアントワープと同じく純白の大変美しい大聖堂だ。

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~ブラバント様式の特徴である壁面の大窓~

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~西正面ライトアップ(1)~

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~西正面ライトアップ(2)~

ライトアップされた大聖堂も美しいが、ここでは、同じくブラバント・ゴシックの世俗建築であるグランプラスの市庁舎もご紹介したい。夜空に浮かび上がる姿は、対する正面のネオゴシック様式で建てられた王の家と共に、世界で最も美しい広場の一つと言われるグランプラスを幻想的な光で彩り、お伽の国に来たような雰囲気に浸らせてくれる。

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~グランプラスの市庁舎~

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~ライトアップされた王の家~

ベルギーにはまだいくつか美しいゴシック大聖堂があるが、特に前述したメッヘレンとフランスとの国境近くにあるトゥルネの町にある大聖堂は、フランスの大聖堂に勝るとも劣らない美しさを誇る。また別の機会にゆっくりご紹介させて頂きたい。
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クータンス

Author:クータンス
学生時代からフランスとゴシックの大聖堂に魅せられ、紆余曲折の人生を歩んだ結果、フランス永住の道を選択しました。
ここでは、フランスを中心としたゴシックの大聖堂を紹介したいと思いますが、フランスでは夜になると大聖堂は勿論のこと、殆どの歴史建造物がライトアップされます。また、単なるライトアップのみではなく、いくつかの大聖堂では、素晴らしい光のスペクタクルを見せてくれるところもあります。こういった大聖堂の写真も一緒に載せていきたいと思います。

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