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ラ・トリニテ修道院(ロワール・フランボワイアン)

こないだ週末を利用してヴァンドームに行ってきた。ヴァンドームと言っても、日本人が良く知っている、ショーメやブシュロン等超一流宝飾店の立ち並ぶ、パリ中心部にあるヴァンドーム広場のことではない。パリから南に170kmほど行ったところ、ロワール地方の北外れにある小さな町だ。中世に栄えたヴァンドーム伯領の本拠地であり、見るべき歴史建造物も結構あるが、お目当てはロワール地方で最も美しいフランボワイアン・ゴシックのひとつである教会堂だ。ちなみにパリのヴァンドーム広場は、元々、ルイ王朝時代に「征服広場」、「ルイ大王広場」など、なんとも俗っぽい名前で呼ばれていたが、この地にヴァンドーム公セザールの館があったことから、その後、今の名前になったらしい。ヴァンドーム広場、いかにもパリらしい美しい名前だ。

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~ラ・トリニテ修道院正面~

話はロワールのヴァンドームの町に戻して、ここにある風変わりなフランボワイアン・ゴシック教会の話をしたい。正確にはラ・トリニテ(三位一体)修道院といい、11世紀に着工、16世紀になってようやく完成したたため、様々な建築様式が混在している。特に興味を引くのは、誠に見事なフランボワイアン様式の西正面と、ロマネスク様式の西正面南尖塔だ。

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~西正面とロマネスクの南塔、教会堂と比べての巨大さが分かる~


後者から話すと、これは少し離れて見ると教会とは別の建物に見える。しかし近づいてみると基部のところで繋がっており、西正面より5m位前に迫り出したところに82mという堂々とした高さで聳えている。建設時期が同じだったこともあり、シャルトル大聖堂西正面のロマネスク様式の南塔に非常に良く似ている。もしかすると同じ建築家の設計によるものかもしれない。シンプルだがすっと天に伸びる様は実に美しい。

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~同じく西正面、フライングバットレスが軽快~

ただ、私にとっての最大の関心はフランボワイアン様式の西正面だ。フランボワイアン、「火炎」様式という言葉がこれ程ぴったりと当てはまる建築装飾は他には無いのではないだろうか。フランボワイアン独特の繊細な装飾彫刻と破風、これが本当に燃え立つような曲線でもって絡み合ったり、分かれながら切妻破風の頂点へ集中していく。本当に炎を眺めているような気分になる。ただただ残念だったのが、天候が生憎の小雨であったこと。これが陽光を浴びていたら、朱色に燃え立ち、まるで浮彫装飾がゆらめき、動き出すような、それは見事な姿を見ることができたであろう。また気候が良くなったら、晴れの日に改めて訪れたいものだ。

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~西正面拡大部分、火炎様式が良く分かる。もし西日を浴びていたら...~

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~堂内から西正面内側を眺める、窓の火炎様式の曲線が美しい~

堂内もそれほど大規模ではないものの、見事だった。事前に知らず、思わぬ収穫だったのが、後陣の一番奥の礼拝堂に嵌め込まれていた聖母のステンドグラスだ。

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~内陣上部~

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~壁面が殆どステンドグラス化しているのが分かる~

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~12世紀前半のステンドグラス、シャルトルブルーと同系統の青が美しい~

聖母が幼いイエスを抱く主題はロマネスク、ゴシック期のステンドグラスの定番だが、なんとなく構図と淡い青の色合いがシャルトルのものに似ていたので、解説を読んでみたら、12世紀前半の作、同じ主題を扱ったステンドグラスでは、シャルトル大聖堂のものより古い、と書かれているではないか。ステンドグラスの本当に初期の頃の作品なので、何分、図像は洗練されているとは言えないが、慈愛に満ちた聖母と幼いイエスの笑顔がなんとも微笑ましい。思いもよらなかったものを見ることができ、何だかとても得をした気分になった。

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~教会堂を後部より眺める、大きい窓、軽快なバットレス、洗練されたアプス~

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~迫力ある建築構成~

外観のフライングバットレスも斬新で見ごたえがある。後部から見た放射状礼拝堂も窓が大きく穿たれ、洗練されたゴシックを感じる。この後ろがちょっとした庭園になっており、その奥には小川が流れる。少し離れたところから見る教会の後姿は、本当に絵葉書にしたいような美しいものであった。

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~後部遠景から見たロマネスクの尖塔とゴシックとの美しい対比~

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プロフィール

クータンス

Author:クータンス
学生時代からフランスとゴシックの大聖堂に魅せられ、紆余曲折の人生を歩んだ結果、フランス永住の道を選択しました。
ここでは、フランスを中心としたゴシックの大聖堂を紹介したいと思いますが、フランスでは夜になると大聖堂は勿論のこと、殆どの歴史建造物がライトアップされます。また、単なるライトアップのみではなく、いくつかの大聖堂では、素晴らしい光のスペクタクルを見せてくれるところもあります。こういった大聖堂の写真も一緒に載せていきたいと思います。

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