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ブルゴーニュ・ヴォルネイのワイン(Domaine Régis Rossignol)

今日は私のもう一つの趣味であるワインの話。
9月第一週の土曜日、ブルゴーニュにある、ヴォルネイ村のワインの造り手、Domaine Régis Rossignol Changarnierに葡萄収穫の手伝いに行ってきた。ヴォルネイVolnayのワインは、ボーヌの南にあるコート・ド・ボーヌに位置し、決して最高級の評価をされているわけではないが、その名の響きの通り、果実実豊かで繊細なワインを産出する。

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~ヴォルネイのワイン畑~

実はこのRossignol(ロシニョール)さん、-もう御年74歳のおじいちゃんだが、今でもとっても元気で矍鑠としている- とは家族ぐるみの付き合いをさせてもらっている。そして、私がフランスにずっと留まることを決めた理由の一つでもある人だ。

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~ロシニョールさんのカーブ~

少し昔の話をさせてもらうと、今でこそ、こうやってゴシック大聖堂のことばかり書いているが、10年程前、前回フランスに勤務していた時は、ワインの方にはるかに夢中になっていた。毎日ワインを飲み、気に入ったワインがあれば、造り手にすぐ電話し訪問する、という生活を送っていた。給料も全てワインに注ぎ込み、妻から、「ヨーグルトも買えない」と言われたこともある位ワインにはまっていた。

そうこうしているある時、職場の人がRossignolのワインを飲ませてくれた。当時の職場は、その辺のソムリエなんか相手にならない位ワインに詳しい人が沢山いた。「この造り手は本当に良い造り手だ」と言って飲ませてくれたのだが、その時は、4、5年経った位のワインだったが、酸が強く、タンニンも結構あり、あまり美味しいとは思わないな、というのが正直な印象だった。ただ、それからしばらく経って、彼の1971年のワインを飲む機会がったのだが、それを飲んだ時の感動は今でも忘れられない。既に30年位経っているにも拘らず、グラスに注いだ瞬間から、甘い濃いジャムのような強い香りが立ち上り、そして口に含むと香りの印象をはるかに上回る甘い味に、それこそ、金槌で頭を叩かれたような衝撃を受け、かつ、今でも若々しさを残しつつ、これこそ熟成されたワインの醍醐味とでも言うような味わいに、本当に吃驚し、今迄味わったことの無い感動を受けたのだった。

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~今年の葡萄、とっても甘い~

それからと言うもの、一ヶ月に一回位の頻度で訪れ、彼からワイン造りに関する考え方、大切な事、ブルゴーニュワインの伝統等、色々なことを教えてもらった。最初、彼の若いワインを飲んであまり美味しくない(今ではそんなことは全くなく、その頃は単にまだまだワインの味を分かっていなかっただけなのだが)と思ったのは、造ってすぐに美味しく飲めて10年位で下り坂になっていくワインではなく、何十年も成長を続けるワインを造っているからだったこと、そしてそれが、昔ながらのブルゴーニュワインの造り方なのだ、ということも教えてもらった。そうして1年も経つ頃、すっかり彼のワインに魅せられ、2001年の収穫の時に、「是非参加させて欲しい」とお願いして、初めて収穫というものを経験させてもらったのだ。それ以降、フランス以外の国で勤務した2年間を除き、予定があって参加できない年は除き、ずっと収穫にお邪魔させてもらっている。また、翌2002年には長男が生まれたのだが、フランスの名前に彼の名前であるRégisを付けさせてもらった。その後、一旦フランスを離れたものの、休暇の際には彼を訪れ、2005年に日本に帰るか、職を変えてずっとフランスに住むか悩んだ時、「これからの人生、ずっと彼のワインを飲んでいたいな」という思いも大きな理由の一つになり、フランスに留まる決断をしたのだ。彼は私の人生を変えた、とても大切な人になっている。また、自分と同じ名前の長男のことを、「俺の孫」と呼んで、とても可愛がってくれ、長男も彼のことを「フランスのおじいちゃん」と慕って会いにいくのをとても楽しみにしている。

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~ロシニョールさんの葡萄畑~

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~収穫した葡萄をドメーヌに持ち帰る~

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~ロシニョールおじさん~

ということで、今年も収穫に参加させてもらってきた。今年は初夏から夏前にかけ、結構かなり暑かったことから、かなり良い年とのこと。そして、黴もあまり付かず、例年より健全な葡萄が多いのも特徴で、質・量とも満足できる年になるだろうと思う。ワイン用の葡萄は、食べたことが無い人は意外に思うかも知れないが、食用の葡萄なんかよりはるかに甘い。アルコール発酵により糖を分解してワインにするのだから、相応の糖度がなければ一定水準以上のアルコール度数のワインができないので、甘いのは当たり前なのだが、一度ワイン用の葡萄を食べてしまうと、巨峰やマスカットなど、薄くて食べる気がしなくなる。かつ、彼の葡萄は、vendange verteと言って、選定により、一本の木からできる葡萄の房をかなり間引きするので、隣の畑なんかと比べても格段に甘い。ずっと中腰の姿勢で葡萄を摘み取るので、かなり重労働なのだが、秋の一日、美味しい葡萄を齧りながら収穫を手伝うのはとても楽しく、この時期、毎年待ち遠しい年中行事となっている。彼のワインに対する情熱、造り方、ワインの事などは、また次の機会にゆっくりお話させて頂きたいと思う。


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クータンス

Author:クータンス
学生時代からフランスとゴシックの大聖堂に魅せられ、紆余曲折の人生を歩んだ結果、フランス永住の道を選択しました。
ここでは、フランスを中心としたゴシックの大聖堂を紹介したいと思いますが、フランスでは夜になると大聖堂は勿論のこと、殆どの歴史建造物がライトアップされます。また、単なるライトアップのみではなく、いくつかの大聖堂では、素晴らしい光のスペクタクルを見せてくれるところもあります。こういった大聖堂の写真も一緒に載せていきたいと思います。

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