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スイスのゴシック大聖堂(ジュネーブ・ローザンヌ)

少し前になるが、11月の3連休にスイスへ行ってきた。

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~ロ-ザンヌ大聖堂~

目的はジュネーヴ在住の知人に教えてもらったジュラのスキー場での化石探しだが、この機会にスイスのゴシック大聖堂も訪れてきた(本当はこちらはメインで、化石探しはおまけなのだが、子供には「化石探しに行こう!」と言って出掛けた)。

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~レマン湖上に横たわる雲海~

残念ながら、スイスには、国が小さいこともあり、これは素晴らしい!というゴシック大聖堂は殆どない。とは言うものの、その中でも見応えのある大聖堂を2つご紹介したい。ところで、スイスへは、フランスから行くとジュラ山脈を超えてスイスに入るわけだが、山脈の麓にはレマン湖が広がっており、その南にはアルプスを控え、丁度盆地のようになっている。くねくねとした山道を走りジュラ山脈を抜けると一気に視界が開けるのだが、眼下に広がっているはずのレマン湖の上一面に雲海(霧?)が横たわっていた。その遥か向こうにはモンブランが見え、とても美しい光景だった。

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~ジュネーブ大聖堂の改築された西正面~

さて、ゴシックの大聖堂だが、まずは、ジュネーヴの大聖堂。正式には聖ピエール大聖堂と言い、スイスのプロテスタントの総本山だ。流石プロテスタント、元々あったゴシック様式の西正面を取り壊し、18世紀に今あるような、本堂と何とも不釣合いなギリシャ神殿のような西正面に改築してしまった。正面から見ると、とてもゴシック大聖堂とは思えない代物、面白くもなんともない。私はキリスト教徒でも無いし、詳しい教義などは全く知らないが、どうもプロテスタントより、ラテンの国々のカトリックの方が柔軟性があり、外・他の世界に対しても寛容であるように思える。

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~堂内~

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~内陣~

ただ、中に入ると、堂内は完全なゴシック様式だ。1160年に着工、13世紀末に内陣及び翼廊の尖塔が完成している。天井はそれ程高くなく、垂直性も抑えられ、フランスの初期ゴシックの堂内のような感じだ。内陣には新しいが美しいステンドグラスが嵌め込まれている。

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~内陣のステンドグラス~

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~同拡大部分、精緻な絵付により、女性の服が立体的に見える~

良かったのが、翼廊にある塔に上ることができたこと。塔の展望台からは市内を眺められ、また青銅の中央尖塔も真近に見ることができた。

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~翼廊北塔から見た内陣屋根~

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~中央尖塔(1)~

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~中央尖塔(2)~

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~翼廊の塔と中央尖塔~

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~後部から大聖堂を見る~

その次はローザンヌ大聖堂。ローザンヌは、ジュネーブからレマン湖の北部分を湖沿いに西の方に車で40分程走ったところにある町だ。ところで、ローザンヌに向かってレマン湖沿いに高速道路を走っていると、左手に大きな建物に「Nissan」の看板が見えてくる。我が国の日産自動車の欧州統括会社だそうだ。欧州でも日本の自動車メーカーは頑張っています。

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~高台に立つローザンヌ大聖堂~

ローザンヌはスイスで第4の大きな町なのだが、それでも人口は13万人に満たない程。やはりスイスは小さな国だ。ローザンヌ大聖堂は町の中心、高台に位置し、遠くからでも尖塔を眺めることができる。外観は非常にユニークで、西正面には装飾の無い質素な南塔のみを有し、中央には大きな尖塔を頂く。武骨などうでありながら良く見ると繊細でもあり、好みにもよるだろうが、私はとても美しい大聖堂だと思う。

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~西正面~

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~フランボワイアン様式の彫刻~

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~堂内~

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~内陣部分

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~ナルテックス~

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~身廊から西側を見る~

ノートルダム、「聖母」に捧げられた大聖堂は12世紀半ばに着工され13世紀に完工している。フランボワイアンの西正面扉口装飾を除き、全体として統一感のある姿。全長100m、中央尖塔高80mとフランスの大聖堂に比べるとやや小振りだ。紫がかった屋根の色彩がクリーム色の壁面との対比で美しい。 また、入口と外陣の間にナルテックスが存在するのも特徴だ。ちなみに中央尖塔は、19世紀のフランスの建築家・修復家ヴィオレ・ル・デュックにより修復されたものだ。

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~ステンドグラス(1)~

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~ステンドグラス(2)~

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~ステンドグラス(3)~

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~ステンドグラス(4)~

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~ステンドグラス(5)~

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~ステンドグラス(6)~

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~ステンドグラス(7)~

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~ステンドグラス(8)~

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~ステンドグラス(9)~

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~ステンドグラス(10)~

内部には、南翼廊の薔薇窓を除き、全て新しいステンドグラスが嵌め込まれているが、新しいながらも緑や青の深い色合いでとても美しいものが多い。また、東洋風の衣服を纏った人物も描かれており、興味深い。一方、南薔薇窓は13世紀前半の作で、シャルトル大聖堂の南北薔薇窓よりも古い。当時のステンドグラスが殆ど当時のままに、12月の暦を主題に、素晴らしい構図で嵌め込まれている。

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~南薔薇窓~

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~南薔薇窓~

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~拡大部分~

薔薇窓から差し込む午後の陽光が堂内の壁面や柱に虹色の虹彩を落とす。床には玉虫色の光の帯を引いていく。

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~並べられた椅子の上に光の欠片を落としていく~

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~壁面には様々な色彩の斑点を散りばめ~

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~床には虹色の絨毯を敷く~

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~そして、柱にも~

また、南薔薇窓真下の南扉口の彫刻も一見の価値がある。中世の教会彫刻が極彩色に着色されていたことは、アミアン大聖堂やコンク教会堂のところでお話した通りだが、ここローザンヌ大聖堂の南扉口の彫刻には当時の色彩がかなりはっきりと残っている。

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~南扉口~

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~天使の羽にはフラアンジェリコの受胎告知のような美しい色彩が残っている~

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~衣服にも鮮やかな色が残る~

天を目指すような圧倒的な量塊があるわけでも、繊細・華麗な装飾でもって見るものを惹きつけるような存在感があるわけでもないが、周りの風景と違和感なく、穏やかにそこに存在るローザンヌ大聖堂は、これはこれで、フランス等の大規模なゴシック大聖堂にはない魅力を備えていると思う。


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プロフィール

クータンス

Author:クータンス
学生時代からフランスとゴシックの大聖堂に魅せられ、紆余曲折の人生を歩んだ結果、フランス永住の道を選択しました。
ここでは、フランスを中心としたゴシックの大聖堂を紹介したいと思いますが、フランスでは夜になると大聖堂は勿論のこと、殆どの歴史建造物がライトアップされます。また、単なるライトアップのみではなく、いくつかの大聖堂では、素晴らしい光のスペクタクルを見せてくれるところもあります。こういった大聖堂の写真も一緒に載せていきたいと思います。

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