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サント・シャペル(パリ)

パリの中心部シテ島には、10世紀から14世紀に掛けて利用された国王の宮殿が存在していた。この一部がその後コンシェルジュリと呼ばれる牢獄として使われ、マリーアントワネットが処刑される直前迄囚われていたことはまありにも有名な話だが、宮殿として利用されていた際、国王の礼拝堂として建設されたのがサント・シャペル(聖礼拝堂)だ。ルイ9世の命により、1242年に着工、1248年に献堂と、非常に短期間で建設が進められた。設計者は、かのサン・ドニ大聖堂の内陣を設計したピエール・ド・モントルイユと言われている。

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~サント・シャペル外観、下部と反対側が修復のため覆われている~

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~西正面、二層構造になっているのが分かる~

サント・シャペルは、先般のアーヘン、ケルン両大聖堂のところでもお話した、聖遺物を奉るいわゆる「箱」として建設された。奉られたのは、キリストが磔刑に処された際被せられた茨の冠の一部と聖十字架(キリストが磔り付けにされた十字架)の一部。悪名高い第四回十字軍により東ローマ帝国の首都であったコンスタンティノープルを陥落させ、建国されたラテン帝国の最後の王ボードワン2世は、外部からの進攻に怯え、防御を強化するため多額の軍事費が必要であったことから、上記聖遺物を売りに出したのだ(真偽はともかく、聖遺物が崇拝の対象となっていたのなら、聖職者が己を守るために聖遺物を売り払うというのはあまりにも矛盾する話だと思うのだが)。これを聞いた信仰の篤いルイ9世が、大金をはたいて上記の聖遺物を譲り受けたのだ。ちなみに茨の冠の一部の金額は135千リーブル。これを納めるサント・シャペルの建設費用が40千ルーブルであったから、どれだけ高価であったか容易に想像できる。

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~下層、濃い青の天井と金色の柱の色彩の対比が美しい~

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~東端部分~

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~周辺部分~

さて、サント・シャペルはシャペル、つまり礼拝堂なので規模は小さいが、壁面をステンドグラス化するということがゴシック建築の目指したものの一つであるとするならば、サント・シャペルは、ある意味では一つの頂点とも言える建築物だ。2層構造になっており、下層は使用人達のための空間で、国王とその一族・賓客等だけが入ることのできる上層を支える役割も果たしている。そのため、天井は低く、窓も小さい。そして下層による堅固な基礎を持った上層が、「色彩の宝石箱」とまで称される、控え壁を除く壁面全てをステンドグラスに置き換えた完全なゴシック建築となっている。

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~上層、西薔薇窓と壁面~

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~薔薇窓と天井~

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~東端~

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~南壁面のステンドグラス(1)~

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~南壁面のステンドグラス(2)~

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~東端と南壁面~

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~薔薇窓と南壁面~

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~拡大部分~

外部からでも壁面が全て窓ガラスと化した様は十分に認識できるが、内部から見た印象はより圧倒的だ。光の洪水に身を浸すということは正しくこのことだろうと思う。前後左右、全てがステンドグラスで覆われている。かつ、西正面の15世紀のフランボワイアン様式の薔薇窓を除き、全て13世紀のステンドグラスが嵌め込まれていることから、色彩、様式共統一感があり、大変美しい。上層の天井高は20.5m、ステンドグラスの総面積670㎡と、いずれもアーヘン大聖堂の半分強の規模だが、建物全体に占める窓の割合ははるかにこちらの方が大きく、明るい印象を受ける。それぞれの窓には聖書の物語が描かれており、シャルトル大聖堂西正面大窓のエッサイの家系樹と同じ主題のステンドグラスもある。

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~黙示録を主題とした西薔薇窓~

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~西薔薇窓拡大部分~

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~右側がエッサイの家系樹のステンドグラス~

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~茨の冠を被せられる場面~

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~ここでも修復、北側のステンドグラスが殆ど見えない~

ただ、またここでも非常に残念なことに、北側の殆どが修復工事のため覆いが被され、ステンドグラスを見ることができなかった。修復工事は何と2008年から始まって、まだ終わっていない。何故どこもかしこも、こんなに長期間を要するのだろう。サント・シャペルに限らず、修復工事は一日も早く完了して欲しい。

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~色鮮やかな彫刻と壁面装飾~

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~嵌め込まれている七宝も綺麗~

ちなみに、今回は空いている内に入りたかったので開館の10時を少し過ぎた頃に行ったのだが、もう既に長蛇の列、入るのに30分以上も並ばされた。で、お昼前に出た頃には入った時の倍以上の長い列が出来ていた。改めてここは世界中の人達が集まる観光地パリの中心にある、一大観光名所なんだなあ、と実感させられた。と同時に、「ちょっと行ってみるか」と気軽に来ることのできる自分は本当に運がいいなあ、ということも改めて教えられた。

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クータンス

Author:クータンス
学生時代からフランスとゴシックの大聖堂に魅せられ、紆余曲折の人生を歩んだ結果、フランス永住の道を選択しました。
ここでは、フランスを中心としたゴシックの大聖堂を紹介したいと思いますが、フランスでは夜になると大聖堂は勿論のこと、殆どの歴史建造物がライトアップされます。また、単なるライトアップのみではなく、いくつかの大聖堂では、素晴らしい光のスペクタクルを見せてくれるところもあります。こういった大聖堂の写真も一緒に載せていきたいと思います。

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