トゥールーズの教会堂群

ようやく、スペイン旅行の続き。最初は往路一泊したトゥールーズから。トゥールーズは言わずと知れた南仏最大の都市の一つで、近郊を含めると人口100万人を超えるフランス第五の都市だ。町の殆どの建築物がレンガで建てられていることから、「薔薇色の町」としても知られ、特に夕陽を浴びて町全体が真っ赤に燃え上がる様は大変美しい。

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~薔薇の町のシンボル、聖セルナン聖堂~

トゥールーズは中世の頃にはフランス南部一帯を治めるトゥールーズ王国として隆盛を極め、また、アルルを起点とする「サン・ジルの道」と呼ばれる、サンチャゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路の一つの一大中継点として栄えたことから、数多くの巡礼者を収容できる教会堂の建設が渇望されたのは必然だった。このため、町なかには数多くの素晴らしい教会堂が存在する。

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~聖セルナン聖堂全景~

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~交差部尖塔を見上げる~

中でも最も有名なものが、ロマネスク建築中、最大規模を誇る聖セルナン聖堂だ。聖セルナンは250年に殉教したトゥールーズの初代司教で、聖セルナンの聖遺物を祭るための最初の教会堂が町の郊外に建設された。その後、同聖遺物を目当てに巡礼に訪れる信者が後を絶たず、現在の聖堂がある地に、より規模の大きな聖堂を建設することが11世紀後半に決定された。1080年に建設が開始、1096年には当時の教皇ウルバヌスII世により献堂されたが、大聖堂の大部分の建設が完了するのは12世紀の終わりであった。

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~身廊~

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~身廊アーケードはかなり高い~

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~中央採光塔を見上げる~

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~石柱の粗い石肌が簡素で美しい~

聖セルナン聖堂は、先程も述べたように、ロマネスク建築として桁外れに巨大で、全長115m、天井高21m、また、ロマネスク様式では非常に珍しい5廊式の身廊を有する。交差部の尖塔の高さは65mにも及ぶ。内部はロマネスク様式のため窓が小さくゴシックに比べ薄暗いが、粗い削りが剥き出しの薄紅石の柱が、明るい色合いを添える。また、内陣のフレスコ画も色彩豊かで大変素晴らしく、窓に嵌め込まれたステンドグラスは簡素な構図・色彩ながらとても美しい。

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~内陣のフレスコ画(1)~

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~内陣のフレスコ画(2)~

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~ステンドグラス(1)~

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~ステンドグラス(2)~

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~ステンドグラス(3)~

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~ステンドグラス(4)~

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~ステンドグラス(5)~

町の他の建築物と同様、煉瓦でできているが、聖セルナン聖堂は、無骨な外観のアルビ大聖堂と違い、簡素ながらも、中央尖塔がすっと空に伸びる様はとても美しい。

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~外陣から中央尖塔を見上げる~

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~ライトアップ(1)~

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~ライトアップ(2)~

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~ライトアップ(3)~

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~ライトアップ(4)~

ライトアップされた姿もまた格別で、紅色の白鳥が羽を広げ体を休めているかのように見える。

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~ジャコバン聖堂全景、2廊式聖堂であることが外観からも分かる~

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~フライングバットレスが無いため窓と窓との間の控え壁が分厚い~

これだけでもトゥールーズを訪れる価値は十分にあるのだが、先にも述べたように、この町にはまだ見るべき教会建築が沢山ある。特に、個人的には、聖セルナン聖堂より素晴らしいのみならず、南仏全体でも最も個性的なゴシック建築だと思っているのが、次にご紹介する、ジャコバン聖堂だ。これは、いわゆる南方ゴシックと呼ばれる形態を持つ教会堂群の一例で、非常にユニークな内部構造をしている。

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~堂内、二重身廊方式の構造~

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~内陣部分~

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~天井を見上げる、全く同じ2廊式なのが分かる~

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~細い円柱が上昇感を強調する~

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~Palmierと呼ばれる放射状に展開するリブヴォールト~

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~中央で堂内を分割する円柱~

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~Palmierの拡大部分~

南方ゴシックとは、フランス南西部とバルセロナを中心とするスペイン北東部、あるいはポルトガルのバターリャなどに見られる建築様式で、中央廊に対し、側廊天井が非常に高く設定され、上昇感を強調した構造になっている様式のものを言う。ジャコバン聖堂は、これの極端な、あるいはさらに洗練された例と言っても良く、天井の高さ、幅が同じ2つの身廊が並列して存在し、中央に円柱の列が規則正しく配置されている構造で、翼廊の無い長方形の平面構成を相俟って、眼前に遮るものの無い、広大な内部空間を現出させることに成功している。なかなか文字で表現することは難しいが、堂内に立った時の印象は圧倒的で、まるで体育館か工場のような、側面が天井迄垂直に伸びる壁面で区切られた、長方形の広大な空間の中央に、細い円柱が規則正しく並び天へと伸び上がる様には思わず言葉を失ってしまう。内陣先端部分のPalmier(椰子の木)と呼ばれる、高さ28mにも及ぶ円柱の先からいくつにも枝分かれする深紅のリブヴォールトはまさに南国の木の枝葉のよう。日差しの眩しい南仏の聖堂に相応しい。天井の高いゴシック建築は数多くあるが、アミアンやボーヴェと言えども、一本の円柱が高さ28mにも達することは無く、ゴシック建築中、堂内を支える円柱で最も高いものとなっている。

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~ステンドグラス(1)~

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~ステンドグラス(2)~

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~ステンドグラス(3)~

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~ステンドグラス(4)~

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~回廊(1)~

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~回廊(2)~

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~回廊(3)~

また、深緑、赤、乳白色のコントラストが見事な壁面の柱や、深い赤を基調としたステンドグラスも、この独特な聖堂にさらに一層の個性を添えている。聖堂北側にある回廊も開放感があり素晴らしい。

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~聖エティエンヌ大聖堂西正面~

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~ロマネスク様式の身廊からゴシック様式の内陣を見る、堂内の軸がずれているのが分かる~

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~こちらは内陣から身廊方向を見たところ~

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~ゴシックの内陣~

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~ステンドグラス(1)

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~ステンドグラス(2)~

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~ステンドグラス(3)~

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~翼廊、主廊が側廊に完全に開放されている~

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~翼廊部分~

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~周歩廊礼拝堂の一つ~

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~翼廊と内陣部分~

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~巨大な煉瓦のフライングバットレス~

上記でご紹介した2つの聖堂はいずれも大聖堂(Cathédrale)ではなく、聖エティエンヌ大聖堂という名の大聖堂がちゃんと存在する。こちらも非常にユニークな形の大聖堂で、身廊部分は天井の非常に低いロマネスク様式で建てられ、翼廊から内陣にかけてはゴシック様式で造られている。また、内陣の軸が身廊下の軸からかなり外れており、入口から内陣方向を見ると斜めに立たないと奥が見えない構造になっている。身廊部分は特に特徴は無いが、翼廊・内陣の構成は非常に面白く、翼廊のところの周歩廊部分の壁面が内陣に完全に開放されており、側面に対し大きく視界が開けている。また、内陣外部の煉瓦でできた非常に大きなフライングバットレスも印象的だ。

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~ノートルダム・ド・ダルバード聖堂西正面~

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~珍しい陶器のタンパン装飾~

もう一つ、規模は小さいが、ノートルダム・ド・ダルバード聖堂も、西正面入口タンパンに陶器でできた色鮮やかな装飾が施されている。

ここまでの規模の町で、これだけ統一された色彩で構成されている町は恐らく無いのではないだろうか。また夏の暑い日に訪れてみたいと思う。


サン・カンタン聖堂(ピカルディー地方)

ゴシックの教会堂は、小規模のものも含めて、有名なものは殆ど全て一度は見たことがある、例えまだ訪問したことはなくても、知識として存在は知っている、と思っていたが、今日ご紹介するサン・カンタン聖堂は、その素晴らしさと、そして後程述べるその特異な構成にも拘らず、全く知らなかったゴシック聖堂で、今回たまたま訪れていなかったら、ずっと知らないままだったと思う。

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~サン・カンタン聖堂、西正面が未完のまま~

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~斜め後ろより眺める~

サン・カンタンの町は、以前ラン大聖堂のところで紹介したが、ピカルディー地方エーヌ県にある町で、人口約56千人の、県庁所在地のランより大きい、同県最大の町だ(にしても、県で一番大きな町が人口10万人以下とは、日本に比べるとはるかに小さいなあ)。

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~堂内にあるラビリンス、ちゃんと残っているのは珍しい~

たまたま違う用事でサン・カンタンの近くまで来て、パリに戻る途中道路から横目に町の遠景を眺めると、中心部に大きなゴシック様式の教会堂が聳えている。これは折角だからちょっと覗いて帰ろうと思って寄ってみたのが、サン・カンタン聖堂だった。

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~身廊から内陣方向を見る、上昇感のある構成~

町の名前と同じサン・カンタンとは、「聖カンタン」、三世紀にこの地で殉教した聖カンタンに捧げられた聖堂だ。聖遺物を祭るために初代の教会堂の建設が開始されたのが七世紀末、数多くの巡礼者達を迎え入れられるより大規模な聖堂の建設を参事会が決定したのが12世紀末のことだ。以降建設は急ピッチで進められ、13世紀始めには周歩廊の放射状礼拝堂が完成、そして1257年には内陣と第一翼廊が完成する。

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~2つの翼廊を持つ~

ここで第一翼廊という聞き慣れない言葉を使ったが、これがこの聖堂の非常にユニークな点で、なんと翼廊が二つ存在するのだ。これはフランスでは大変に珍しく、クリュニー派修道院の、今は存在しないクリュニー第三聖堂、スヴィニュー修道院位にしか同じ様式を見ることができない。前者は有名な、もし現在でも存在していたら、全長187m、天井高33mを誇るロマネスク様式最大の教会堂(ロマネスクのみならず、フランスで最も巨大な教会堂の一つと言っても良いだろう)となっていたのだが、破壊されてほんの一部しか存在しておらず、また、後者は実際にはPrieuréと呼ばれる修道院に従属する小修道院であり、ゴシック様式の大規模な教会堂としては、このサン・カンタン聖堂が、フランスで2翼廊を持つ唯一・最大の教会堂なのだ(但し、イングランドにはカンタベリー大聖堂やリンカーン大聖堂等、同様式のゴシック大聖堂が存在する)。このような建築構造上ユニークな存在のゴシック教会堂を今迄知らなかったとは、まだまだ勉強不足だなと痛感したと共に、まだ知らないゴシックの教会堂でも素晴らしいものがあるのでは、と期待を膨らませることにもなった。

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~非常に垂直性の強い堂内~

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~34mという天井高よりはるかに高く感じる~

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~中央翼廊南側面の彫刻、彩色が残っている~

ちょっと話が横に逸れてしまったので元に戻そう。その後すぐに第二翼廊(中央交差部にある翼廊でこちらが本来の翼廊)の建設が始められるが、百年戦争とペストにより建設は遅れ、完成したのは14世紀終わり、そして外陣身廊が完成するのは15世紀半ばであった。その後、スペインによる占領やフランス革命による「理性」の名の下の破壊・閉鎖により、ついに西正面は完成されることがなかった。今でも非常にお粗末な仮の壁面があるのみで、側廊に対応する部分は、壁面が剥き出しになり、双塔が建てられる計画だったんだろうな、ということが想像できる。とは言うものの、規模としては、全長117m、天井高34.5mと、非常に巨大な聖堂で、サン・カンタンの所属する司教区の司教座聖堂つまり大聖堂はソワソン大聖堂だが、こちらは全長116m、天井高31mと、サン・カンタン聖堂の方が巨大な教会堂となっている。

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~中央翼廊、この垂直性が強調された壁面!~

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~中央翼廊南側全体~

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~アミアン大聖堂と間違いそうな壁面構成~

こうして3世紀の長期間に亘り建設が続けられたものの、全体としては非常に統一感の取れた構造になっている。垂直には他のゴシック大聖堂と同様3層構成になっているが、身廊アーケードは非常に高く、その上には非常に細い(低い)トリフォリウムの層、そして上に続く高窓層も剣のように細長く、垂直性・上昇感の非常に強調された構造になっている。

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~内陣周歩廊から内陣上部と第一翼廊を仰ぎ見る~

中央翼廊には薔薇窓は無く上部にランセットがあるのみで、下部壁面には規則正しく垂直の線が伸びており、これがまた堂内の垂直性を強調するのに一役買っている。

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~内陣と北第一翼廊~

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~こちらは内陣と南第一翼廊~

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~フランボワイアン様式の南第一翼廊~

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~北第一翼廊~

堂内で最も素晴らしいのは内陣と先程述べた第一翼廊、そして周歩廊の放射状礼拝堂とが創り出す他に例のない空間だ。外陣から内陣に向かって強い垂直性を感じながら進んで行き、中央翼廊でも先程述べたように途切れることなく上昇感を感じながら内陣へ入っていくと、急に第一翼廊により、横方向に視界が開ける。大きな窓が穿たれており、内陣上部の窓からだけではなく、側面からも光が注がれ、一面が浮かび上がるような感覚になる。とは言うものの、中央翼廊よりはるかに幅の狭い第一翼廊は外陣から続く垂直性を減じることなく、視線を内陣最奥部上方へと移させてくれる。そしてそこには、鮮やかな極彩色の光の帯を堂内に落とす、中世の美しいステンドグラスが嵌め込まれている。

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~内陣最奥部~

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~放射状礼拝堂群、素晴らしい円柱の配列美~

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~中央放射状礼拝堂~

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~礼拝堂内の13世紀のステンドグラス~

目線を自身の高さに落とし、前方を見ると、こちらでも視線が大きく開ける。内陣の最奥部に通常ある祭壇及びそれを取り囲む壁面が存在しないため、内陣中央部から周歩廊とそのさらに奥の放射状礼拝堂群が一望の下に見渡せるのだ。天へと昇る上昇性と前方に開かれた開放感。内陣は神の領域、そうであるならば、サン・カンタン聖堂内陣ほど、人間の存在を超える尺度・感覚を抱かせてくれる空間は無いのでは、と思わされる。

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~内陣~

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~内陣高窓~

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~北第一翼廊のステンドグラス~

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~南第一翼廊と内陣~

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~北第一翼廊から内陣上部を見上げる~

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~周歩廊から内陣越しに身廊を見る~

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~西正面裏側にあるエッサイの樹の浮彫彫刻~

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~外観側面、翼廊が2つあるのが良く分かる~

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~後陣~

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~放射状礼拝堂外部~

外観を見ても、今までご紹介してきた内部構造が良く理解できる。規則正しいフライングバットレスの列が垂直性を一層強調する。今回、本当に偶然に、この素晴らしいサン・カンタン聖堂を訪れることができたわけだが、事前に知らなかっただけに、とても得をしたような気分になった。また、このような発見があることを期待してゴシック建築巡りを続けよう。

サント・シャペル(パリ)

パリの中心部シテ島には、10世紀から14世紀に掛けて利用された国王の宮殿が存在していた。この一部がその後コンシェルジュリと呼ばれる牢獄として使われ、マリーアントワネットが処刑される直前迄囚われていたことはまありにも有名な話だが、宮殿として利用されていた際、国王の礼拝堂として建設されたのがサント・シャペル(聖礼拝堂)だ。ルイ9世の命により、1242年に着工、1248年に献堂と、非常に短期間で建設が進められた。設計者は、かのサン・ドニ大聖堂の内陣を設計したピエール・ド・モントルイユと言われている。

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~サント・シャペル外観、下部と反対側が修復のため覆われている~

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~西正面、二層構造になっているのが分かる~

サント・シャペルは、先般のアーヘン、ケルン両大聖堂のところでもお話した、聖遺物を奉るいわゆる「箱」として建設された。奉られたのは、キリストが磔刑に処された際被せられた茨の冠の一部と聖十字架(キリストが磔り付けにされた十字架)の一部。悪名高い第四回十字軍により東ローマ帝国の首都であったコンスタンティノープルを陥落させ、建国されたラテン帝国の最後の王ボードワン2世は、外部からの進攻に怯え、防御を強化するため多額の軍事費が必要であったことから、上記聖遺物を売りに出したのだ(真偽はともかく、聖遺物が崇拝の対象となっていたのなら、聖職者が己を守るために聖遺物を売り払うというのはあまりにも矛盾する話だと思うのだが)。これを聞いた信仰の篤いルイ9世が、大金をはたいて上記の聖遺物を譲り受けたのだ。ちなみに茨の冠の一部の金額は135千リーブル。これを納めるサント・シャペルの建設費用が40千ルーブルであったから、どれだけ高価であったか容易に想像できる。

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~下層、濃い青の天井と金色の柱の色彩の対比が美しい~

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~東端部分~

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~周辺部分~

さて、サント・シャペルはシャペル、つまり礼拝堂なので規模は小さいが、壁面をステンドグラス化するということがゴシック建築の目指したものの一つであるとするならば、サント・シャペルは、ある意味では一つの頂点とも言える建築物だ。2層構造になっており、下層は使用人達のための空間で、国王とその一族・賓客等だけが入ることのできる上層を支える役割も果たしている。そのため、天井は低く、窓も小さい。そして下層による堅固な基礎を持った上層が、「色彩の宝石箱」とまで称される、控え壁を除く壁面全てをステンドグラスに置き換えた完全なゴシック建築となっている。

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~上層、西薔薇窓と壁面~

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~薔薇窓と天井~

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~東端~

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~南壁面のステンドグラス(1)~

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~南壁面のステンドグラス(2)~

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~東端と南壁面~

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~薔薇窓と南壁面~

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~拡大部分~

外部からでも壁面が全て窓ガラスと化した様は十分に認識できるが、内部から見た印象はより圧倒的だ。光の洪水に身を浸すということは正しくこのことだろうと思う。前後左右、全てがステンドグラスで覆われている。かつ、西正面の15世紀のフランボワイアン様式の薔薇窓を除き、全て13世紀のステンドグラスが嵌め込まれていることから、色彩、様式共統一感があり、大変美しい。上層の天井高は20.5m、ステンドグラスの総面積670㎡と、いずれもアーヘン大聖堂の半分強の規模だが、建物全体に占める窓の割合ははるかにこちらの方が大きく、明るい印象を受ける。それぞれの窓には聖書の物語が描かれており、シャルトル大聖堂西正面大窓のエッサイの家系樹と同じ主題のステンドグラスもある。

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~黙示録を主題とした西薔薇窓~

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~西薔薇窓拡大部分~

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~右側がエッサイの家系樹のステンドグラス~

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~茨の冠を被せられる場面~

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~ここでも修復、北側のステンドグラスが殆ど見えない~

ただ、またここでも非常に残念なことに、北側の殆どが修復工事のため覆いが被され、ステンドグラスを見ることができなかった。修復工事は何と2008年から始まって、まだ終わっていない。何故どこもかしこも、こんなに長期間を要するのだろう。サント・シャペルに限らず、修復工事は一日も早く完了して欲しい。

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~色鮮やかな彫刻と壁面装飾~

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~嵌め込まれている七宝も綺麗~

ちなみに、今回は空いている内に入りたかったので開館の10時を少し過ぎた頃に行ったのだが、もう既に長蛇の列、入るのに30分以上も並ばされた。で、お昼前に出た頃には入った時の倍以上の長い列が出来ていた。改めてここは世界中の人達が集まる観光地パリの中心にある、一大観光名所なんだなあ、と実感させられた。と同時に、「ちょっと行ってみるか」と気軽に来ることのできる自分は本当に運がいいなあ、ということも改めて教えられた。

聖ウスタッシュ聖堂(パリ)

パリにはノートルダム大聖堂以外にも素晴らしいゴシックの教会堂が沢山ある。今回は、パリの中心部レ・アールにある聖ウスタッシュ聖堂をご紹介したい。

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~聖ウスタッシュ聖堂側面~

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~斜め前から見る、西正面はルネサンス様式~

ちなみに聖ウスタッシュ(日本ではエウスタキウスと呼ばれる)は、2世紀始めに殉教したとされる聖人で、ローマ帝国のハドリアヌス帝に、ファラリスの雄牛によって火刑となったということだ。このファラリスの雄牛というのは、中が空洞の真鍮の牛で、この中に死刑者を閉じ込め、下で火が焚かれ、炙り殺されるというわけだ。これは実際にあった処刑の道具らしい。何とも残酷な処刑方法だ。

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~後陣~

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~堂内、身廊から内陣方向を見る、細い円柱と高いアーケードにより垂直性が強調される~

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~側廊から身廊を見上げる~

聖ウスタッシュ聖堂は後期ゴシック様式の代表作の一つとされており、1532年に建設が開始される。その後幾度に亘る中断を経て、1637年にようやく完成する。外観、特に西正面はルネサンス風の古典的で簡素が造りが見られるところがあるが、堂内は非常に洗練されたゴシック様式の空間が広がっている。中でも特筆すべきは、細い円柱がもたらす上昇感だ。天井高は33.46mとパリのノートルダム大聖堂と殆ど同じであるにも拘らず、身廊を支える円柱は非常に細く、かつ、アーケードも高く設定されている。これらのもたらす効果は印象的で、実際の規模を考慮しなければ、アミアン大聖堂よりも堂内の垂直性が強調されているように思われる。

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~森林の中にいるような感覚になる円柱群(1)~

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~円柱群(2)~

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~円柱群(3)~

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~南翼廊を見る~

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~内陣、すらっと伸びた円柱が美しい~

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~中央交差部より西正面方向を見る、フランス最大のパイプオルガン~

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~淡い光が堂内を満たす~

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~静寂の一時~

また、ブールジュ大聖堂やスペインのトレド大聖堂のように、側廊が2つある五廊式であるにも拘らず、側廊のアーケードも非常に高いので、堂内全体が横に広がるような印象を受けない。2つの側廊が同じ高さになっているのも大変珍しい。よく、ゴシック大聖堂の堂内は、その数多い円柱と天井に向かってすっと伸びる円柱、として高い天井から、森林に例えられることが多いが、この聖ウスタッシュ聖堂こそ、この表現がぴったりだと思う。幹の細い、そして高い木々が沢山生い茂り上方で枝葉が重なり合う(下から伸びた円柱が交差ヴォールトによりそれぞれ繋がる)。ステンドグラスから差し込む淡い夕日が、上方の枝間から洩れる光の縞のように見える。パリの真ん中にありながら、喧騒も全く聞こえず、静寂の時間が流れていく。

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~2列になっている側廊、非常に高いアーケード~

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~南翼廊薔薇窓~

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~拡大部分~

ステンドグラスもそれ程古くはないが数多く嵌め込まれており、中でも、翼廊北側の薔薇窓は構図、色彩の構成共に大変美しく、最も好きな薔薇窓の一つだ。また、フランスで最も大きなパイプオルガンがあったり、オランダの巨匠ルーベンスの絵画があったりと、意外に見所の多い聖堂だ。

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~夕日がステンドグラスを通して淡い光となり天井を浮かび上がらせる~

今回久しぶりに訪れたが、結構見応えがあった。パリには他にも美しい教会堂が沢山ある。ちょっと外に出れば、こういった素晴らしい歴史遺産に簡単に出会えるというのは、パリに住んでいる数多いメリットの一つだと思う。次回は、こないだご紹介したアーヘン大聖堂内陣と非常に似ているサント・シャペルをご紹介したい。

聖ゲレオン聖堂(ドイツ、ケルン)

アーヘンに一泊した翌日はケルンに向かった。やはりアウトバーンは非常に快適。大変走りやすい。70kmほどの距離なので小一時間で着いた。ケルンは言わずと知れたドイツ有数の大都市で、人口は約百万人。百万人超の町なんてパリ位しかないフランスから来ると本当に大都会だ。起源はローマ時代に迄遡り、ライン川に面していることから中世の時代より交通の要衝として発展し、また、宗教上も、8世紀には大司教座が置かれるなど、非常に重要な町であった。

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~聖ゲレオン聖堂円形ドーム~

大司教座が置かれていたからでもあるが、この町には非常に教会堂が多い。有名なケルン大聖堂は勿論のこと、規模の大きいロマネスク様式の聖堂が12もある。どれも個性的で魅力があるが、一つアーヘン大聖堂と同じ集中式を採用している大変美しい聖堂があるので、ケルン大聖堂をご紹介する前に、少しこちらをご紹介させて頂く。

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~聖ゲレオン聖堂西正面~

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~内陣部分、双塔と共にロマネスク様式で建てられている~

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~円形部分、尖頭アーチの窓、フライングバットレス等ゴシックの要素が見られる~

4世紀にここケルンで殉教した聖ゲレオンに捧げられた教会堂で、1151年に着工、1227年に完成している。非常に面白い形をしており、西正面を入ると、アーヘン大聖堂のように、10角の長円形のドームがあり、その延長線上に内陣が存在する。基本的にロマネスク様式で建てられているが、長円形ドームの支え等に小規模なフライングバットレスが使用されていたり、窓が緩やかだが尖頭アーチになっていたりと、ゴシック的要素も採用されている。

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~長円形身廊の四層構成~

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~上部2層はかなり明るい、ゴシック的~

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~奥に見えるのが内陣~

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~朱色の天井と色彩豊かなステンドグラスの調和が美しい~

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~側廊窓の簡素なステンドグラス~

特に特筆すべきは長円形のドームで、四層構成になっており、アーケードの上には初期ゴシックと同様の階上廊トリフォリウムが存在し、その上には擬似廊下のトリビューン、そして最上層には高窓層と、初期ゴシックと同じ構成をしている。ゴシックの身廊同様、上部2層には大きく窓が取られていることからかなり明るい。嵌め込まれているステンドグラスは近代のものだが、色彩豊かで美しい光の帯が地上迄降りてくる。朱色の天井とのコントラストが素晴らしく、見上げると大きなオパールが浮かんでいるかのような感覚になる。この他にも、ドイツには集中式の教会堂が結構残っており、中にはトリアー聖母聖堂のように、完全なゴシック様式で建設された非常に面白いものもあるので、またいずれご紹介させて頂く。と前置きはこれ位にして、次回はケルン大聖堂をご紹介したい。

プロフィール

クータンス

Author:クータンス
学生時代からフランスとゴシックの大聖堂に魅せられ、紆余曲折の人生を歩んだ結果、フランス永住の道を選択しました。
ここでは、フランスを中心としたゴシックの大聖堂を紹介したいと思いますが、フランスでは夜になると大聖堂は勿論のこと、殆どの歴史建造物がライトアップされます。また、単なるライトアップのみではなく、いくつかの大聖堂では、素晴らしい光のスペクタクルを見せてくれるところもあります。こういった大聖堂の写真も一緒に載せていきたいと思います。

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